蔵元ごはん＆カフェ 酒蔵櫂
～心の休憩所～

〇月×日

蒸し暑い日でも、ここにくると、
すんと涼やかな気分になれる…そんな場所。

私の大好きな「酒蔵櫂」。

養老酒造が営む古民家カフェだ。

築200年以上の重厚な趣きのある門をくぐると、なぜだかいつも、おばあちゃんちを訪れた幼い日がよみがえる。

土間特有の冷気がとても心地よく、どこか懐かしい。

人は、においや体感温度で記憶している思い出があるものだ。

土間の奥にトイレがあるのだけど、このトイレまでのアプローチも何ともいえない情緒がある。

古い日本家屋のにおい…失われていく時間の中で、今日という日もまた歴史に刻まれていく。

小さな酒蔵の2階がお食事処。

靴を脱いで階段を上がり、暖簾をくぐる。

私の特等席は、窓際のテーブル。

外の景色を眺めていると、不思議と心が安らぐ。

体と同じくらい、心にも栄養と休息が必要だ。

心の栄養にもなるこちらの蔵元ごはんは、何といっても養老の酒粕で漬け込んだ焼き鮭や豚の角煮、粕汁のワンプレートセットがおすすめ。

いつも、この味にまた会いたくて足を運ぶけど…、
夏はやっぱりカレーでしょ！

限定5食の「牛すじカレーセット」。

国民食ともいわれるカレーだけど、これほど千差万別で奥が深い食べ物はないと思う。

まず下処理から始める牛すじは、とにかく手間がかかる。

数種類のスパイスをブレンドして煮込んだ本格派カレーに、甘くとろっとやわらかい牛すじがコクと深みを増し、旨味が五臓六腑に染みわたる。

主役のカレーに負けず劣らずの存在感を放つのが、付け合わせの季節の小鉢たち。

フェットチーネのようなキャロットラペ、玉ねぎと枝豆のからし味噌和え、セロリと青トマトのピクルスが、上品な酸味と共に初夏の風を届けてくれる。

食後にはお酒のアイスかコーヒーが選べ、ランチを食べればケーキはなんと100円引き♪

食に貪欲な私は、ぜんぶ食べ♪

金・土のみしか営業していない小さな焼き菓子屋さん日々の、ふわふわココアシフォン♪

これはもう安定の美味しさ。

優しい甘みにほろ苦いコーヒーがよく合う。

締めくくりはお酒のアイスで。

超辛口で養老酒造の中で強い「原酒 櫂」入り。

アイスにすると、力強さの中にこんなにもフルーティさが香るのかと驚きだ。

せわしない日常の中で、ほんのひと時、穏やかなときを過ごす。

ルーティンにしたい、心の休憩所で…。