Release:21.10.22
LE KOPPI
~フィーカの花を咲かせましょ~
〇月×日
「FIKAしよ♪」
コーヒーとスイーツを楽しむフィーカは、北欧の暮らしに根付く素敵なお茶時間。
単なるコーヒーブレイクではなく、ライフスタイルともいえるフィーカは、日照時間が短い北欧の暗く長い冬を、おうちでいかに豊かに過ごすかの工夫なのだ。
「FIKAしよ♪」
そう思いたったら、向かう場所はひとつ。
甲府の中心、三日町通りの路地を入ったところに佇む古民家カフェ。
「LE KOPPI(ルコピ)」。
藍染めの暖簾がゆらゆらと風と戯れ、光と遊ぶ。
間借りを卒業、ここに移転してちょうど1年…。
いつ来ても変わらない距離感と
変わらない速度が愛おしい。
ながこさんが織りなす心地いい空気感。
ここに集まる人たちは、きっとそんな彼女に魅せられているのだろう。
わたしもそのうちのひとり。
お手製の美味しい焼き菓子とレモネードコーヒーのHygge(ヒュッゲ)な時間。
こだわりのコーヒーは、といえば、気温が変われば飲みたいものも変わるから、焙煎具合を四季折々のブレンドに変えているという。
十人十色のコーヒーの楽しみ方…そんなヒュッゲに彩られた「コーヒーの部屋」も第3木曜日に開催されている。
ながこさんが焼いたお菓子はもちろん、軽食も最高だ。
スウェーデン風のじゃがいも肉まん、クロップカーカ。ふわふわの肉まんとは違って、芋餅みたいに素朴でもっちり。
オールスパイスで味付けした合い挽き肉とベーコン、玉ねぎが中に入って、しっかりお腹にたまる。
コケモモジャムと一緒に食べると、ふんわり北欧の香りが。
リネンのカーテンが風に揺れ、静かに時を刻む。
なんて美しく、温かな刺繍なんだろう。
一瞬で心奪われた刺繍は、つくり手の温もりや人柄がふわりと香り、胸にやさしく語りかけてくる。
それはお菓子も一緒。
ながこさんの焼くケーキはとっても素朴で、だけどお菓子らしくしっかり甘くて、食べると幸せな気持ちで満たされる。
本日のフィーカはフィンランドのお菓子「シナモンロールチーズケーキ」!
のびのびと心を込めて育てた鶏が産んだ卵を使い、ホールのカルダモンをミルで粗く削って生地に練り込む。
クリーミーなチーズケーキにシナモンが香り高く、カルダモンのスパイスが効いて、忘れられなくなる美味しさ。
素朴で優しい味わいなのに、ピリッとスパイスがアクセントになった、存在感のあるお菓子は、ながこさんそのもの。
パールシュガーだって北欧から取り寄せているというこだわりようで、いつも北欧のレシピに忠実に寄り添っている。
イエローレモンの酸味、メイヤーレモンの甘さ、グリーンレモンの苦み、すべてを満喫できるレモネードコーヒーとともに。
“日常の中でふとした非日常を感じられる”器と
季節の折々のお菓子。
手に届く、豊かでささやかな暮らしを楽しむ。
その気持ちは北欧に通じている。
さあ、今日もフィーカの花を咲かせましょ。
<コーヒーの部屋>
毎月第3木曜日15:00~/18:00~(2時間制)※要予約
コーヒーを絡めながらいろいろな話をしたり、淹れたり、考えたりする時間。
ひとり2,000円
料理と器とワインをこよなく愛するママ編集者。
性格がおおざっぱなため、お菓子作りは失敗しがち。
最近は酵母菌を我が子のように可愛がっているらしい。