あくつ-甲府市丸の内 | 山梨のワインと和食～おすし

甲府の中心街の一角、ともすれば通り過ぎてしまうほどの小さな入口。少し急な階段はこれから広がる紅灯緑酒のひとときへのアプローチ。期待感で逸る気持ちをおさえられず、つい足早に階段をのぼると、シックで落ち着いたジャパニーズモダンな空間が出迎えてくれる。キリッとした辛口ながらもすっきりと飲みやすい甲州ワインに、旬のネタと職人技が華やかに調和した自慢のにぎりが冴える。

いただくのは店主の厳選素材で繰り広げるにぎりとおつまみのコース。繊細な割烹には甲州らしさが際立つかざま甲州がおすすめ。さっぱりと飲みやすい辛口が料理の味をしっかりと引き立てる。もずくにホタテ、クラゲの刺身、カニ爪、青海苔の白身のすり流しが美しくワンプレートに盛られた先付は、どれも素材の良さを感じる上品な味わい。オイルソースをあしらった焼き物には、やや酸味のきいたグレイス甲州を。
最大のお楽しみは目の前のショーケースから旬のネタでにぎってくれるおすし。まさにこれ以上の贅沢はないと思わせてくれる。

県産ワインは白を中心にした品ぞろえで、ワインのセレクトにはお客さんの要望も積極的に取り入れているという。常識にとらわれることなく、ワインと料理のバランスを考え、どちらかが強く主張しすぎることがないよう、ここならではの絶妙なマリアージュを提案してくれる。季節や仕入れによって内容が変わるコースのひと皿に合わせた、最高の一杯を堪能しよう。

店主自らの確かな目利きで仕入れた鮮度抜群のすしは、赤シャリにこだわる。酒粕を醸造させた赤酢を使い、なんとも香り高くまろやか！小ぶりにふんわりとにぎられ、口の中でやさしくとろける。ほっぺたが落ちるとは、まさにこういうこと！
店主の美しく華麗な手さばきを目の前で見られるのも、さらに美味しさ倍増。ここでしか味わえないコクのある味わい深いおすしに大満足間違いない。