塩山駅の近く、古くからの街並みに馴染んだ佇まい。築120年の古民家をリノベーションした趣溢れる日本家屋は、砂利敷きの玄関から靴を脱いで上がる。おばあちゃんちのようなほっこりとしたどこか懐かしい雰囲気で、観光客はもちろん、地元の人たちの普段使いの食事処として賑わう。毎年手作りしている自家製味噌で煮込んだほうとうは、塩山の小さなワイナリーの名酒と味わいたい。

畑から収穫した新鮮な季節の野菜をたっぷり煮込んだ甲州名物のほうとうは、味噌味ながらあっさりと上品に仕上げる。美味しさの秘密は、野菜のやさしい出汁と手作りの自家製味噌にあり。1年前からスタッフが手塩にかけて仕込んだ貴重な逸品だ。おすすめは、さっぱりとした鶏肉がアクセントになった「とりにくほうとう」。つるつるの麺に、味噌に溶けだしたカボチャの甘みと鶏肉がよく絡む。ワインは、「地元ワイナリーを応援したい」という店主のオリジナルセレクトで、大量生産はできないがこだわって造った家族経営の希少な一本が揃う。

甲州市を流れる重川沿いの自社畑の甲州種100％を収穫した塩山洋酒の「重川」。洋梨のようなさわやかな香りとすっきりとした酸味が特徴で、合わせる料理によってその味わいを変える。かなり辛めのすっきり感が味噌味によく合う。また、果実味豊かで飲み心地のいいキザンワインが味わえるのもここならではの醍醐味。気軽にグラスで、牛奥ワインがリーズナブルに楽しめるのもいい。

山梨の清涼な水で飼育された大ぶりなニジマス「甲斐サーモン」。サーモンのようなこってりした脂はないが、逆にあっさりとした上質な脂がのって臭みもなく食べやすい。何より目にも鮮やかな美しい紅色が印象的。程よくサシも入り、口に入れるととろけるようにマイルド。そんな甲斐サーモンが豪華、桶もりで供される。マグロとのハーフ＆ハーフも可能だから、これはチェックしておきたい。

椅子席の奥はゆったりとした掘りごたつの座敷

梁や柱がむき出しになった120年前の佇まい

2階はまるで日本昔話の世界に迷い込んだよう

主なメニュー

・とりにくほうとう…1,380円
・甲斐サーモンの桶もり…1,080円
・甲斐サーモン丼…1,180円
・重川（塩山洋酒）…2,800円
・キザンワイン（機山洋酒）…2,600円
・牛奥ワイン（牛奥第一葡萄酒）グラス…420円（赤/白）
※すべて税別