Release:22.11.25
昭和レトロな甲府の横丁に軒を連ねる「くさ笛」のコロッケといえば、常連客なら知らない人はいないほど有名。60年前から変わらぬレシピで、名物女将が目の前で揚げてくれる。
細長いカウンター席には、気さくで元気いっぱいの女将ファンで賑わう。昭和34年のオープン以来、今も変わることなくずっとこの場所で美味しい料理を作り続けている女将は、分量を量らずとも、同じ味が再現できるという熟練ぶり。「これ作って」と言われれば、大抵のものは作れちゃうという。
大根の煮しめやもつ煮、ニラ玉、串カツなど、家庭的な料理の中でも、女将の作るコロッケは世代を超えて魅了し続ける昔懐かしい味わいに溢れる。
「小さい頃にね、お祖母ちゃんが作ってくれたコロッケの味なの。美味しくてしょっちゅう作ってくれたから、見よう見まねで同じコロッケが作れるようになったんだよ」。
作り方は至ってシンプル。挽肉と玉ねぎを炒めて、つぶしたじゃがいもを丸めるだけ。パン粉をふわっとやわらかくつけて、弱火でじっくり中まで揚げる。美味しさのポイントは、ありったけの愛情を注ぎこんで、丁寧に食べる人を想像しながら作ること。「美味しい!」の笑顔が見たくて、手間暇をいとわず、毎日大量のコロッケの下準備を欠かさない。
600円
薄づきの衣がさっくり軽やかなコロッケは、ひと口食べた瞬間に頬が緩む。ふわっとやわらかく舌触りなめらかなジャガイモと、ちょっぴり甘めに味付けされた挽肉や玉ねぎが見事なバランス。どこか懐かしいほっこりとした味わいに癒され、心の奥深くに語りかける。
女将の見事な手さばきと軽快なおしゃべりを目の前に、お酒や食事を楽しむひと時は本当に最高!いつまでも、この心潤す料理と幸せな時間が続くことを、誰もが願ってやまないだろう。
ご愛読ありがとうございました!
今回の「焼き鳥」で本連載企画は最終回となります。
また、新たな形で連載を企画中ですので乞うご期待!
長い間ご愛読ありがとうございました。
コロッケといえばくさ笛。くさ笛といえばコロッケ。
お母ちゃんが作るものはなんでも美味しいけど、その中でもコロッケは群を抜く。
揚げたてコロッケがほくほくで絶品!昔爺さんが作ってくれた味に似ていて懐かしい。いつも絶対頼みます。