山梨の老舗喫茶界隈で名を馳せた「コーヒーの店かなりや」や「パスタcafeかなりや」の時代に1度お店の幕を下ろし、通い慣れた人々の多くがその閉店の知らせに涙しただろう。2019年にセルフサービスを導入した新たな形態で幕を開けた「珈琲mou」へ、愛され続けたひと皿に再び出会いに。

始まりは1970年。創業から50年が過ぎ、数年前に「パスタcafeかなりや」から屋号を変え、今も、昔からのお客さんが足を運び、親子三世代で来店する人が多く集まる「珈琲mou」。
かなりや時代から人々に親しまれるのが、ミートマだ。

屋号を今の店名に変えたときは、のんびり喫茶店を運営しようと決めていたオーナー。
しかし、昔からのお客さんが口をそろえて「ミートマが食べたい」と、懇願する声をたくさん聞き、2020年に待望の復活を遂げた。
昔からの作り方と味わいをそのままに、甘めのトマトソースに温めておいた鉄板の上にたっぷりの溶きたまごをかけ、固まり切る前にスパゲティを盛る。コーンやベーコンなど色とりどりの具材を入れたソースをたっぷりとかけたら、鉄板の冷めないうちにテーブルへ。

じわぁと動くたまごとトマトの香りに一気に食欲をそそられる～!!私はたまごが半熟のほうが好きなので、たまごが固まらないうちに混ぜて食べるのが好み。
「うん、これこれ！」と昔からのお客さんも納得の味わいに、どこか懐かしいと思わせる深さがある。“身体と心に優しい”をコンセプトに、身体に良い食材や素材をふんだんに使用し、幅広い世代に今もなお愛されている。常連の母は青春の味といい、娘の私は昔ながらの見た目に心ときめく。時代は変われど、様々な角度で楽しめる珈琲mouのミートマをぜひ。