Release:21.11.12
【番外編】絵本の読み聞かせのコツQ&A~絵本作家さんがお答え!
ころたんさん、お手紙ありがとうございます。
読み聞かせしていてもすぐに飽きてしまったり、また選書に悩んだり…なかなか難しいものですよね。そこで、今回は大月市出身の絵本作家・仁科幸子さんに、ママの素朴な読み聞かせについての疑問や悩みにアドバイスを頂いてきました~!
こんにちは。2歳女の子のママです。絵本が好きになってほしいと子どもが0歳の時から読み聞かせをしていますが、すぐに飽きてしまったり、勝手にページをめくったりしてなかなかうまくいきません。また忙しくて逆に負担に感じることもあります。読み聞かせのコツなどあればおしえてほしいです。(ころたん)
目次
\教えてくれたのはこの人/
絵本作家
仁科幸子さん
山梨県大月市生まれ。多摩美術大学立体デザイン科卒業後、グラフィックデザイナーとして活躍するかたわら、森や精霊をテーマにしたファンタスチックな世界観の作品を発表。95年絵本作家として独立し、著書『ちいさなともだち―星ねこさんのおはなし』が第23回ひろすけ童話賞受賞。15年大月市立図書館館長に就任。地域の子どもたちに読書の大切さや楽しさを伝える活動などを行っている。
幼少期から「読み聞かせ」が大切な理由
絵本の読み聞かせには、コミュケーション力を深めるだけでなく、「想像する力を伸ばす」、「語彙力の向上」など、さまざまな効果や秘めたパワーがたくさん!
「幼少期の読み聞かせは、ママが子どもにしてあげられる最大のプレゼント」という仁科さんが、特に注目するその良さとは。
心の安定した子どもになる
「小さな子どもにとって絵本を読んでもらっている時間は、ママの匂いに包まれとてもリラックスし安心している瞬間。子どもが楽しいと感じているときに、「楽しいね」と共感することで自分を受け入れてくれていると感じ、心の安定した子へと成長するでしょう。絵本を読む習慣は自然に安心できる時間をつくり、そんな親子の時間が子どもの生きる力を育ててくれます」。
成人後の読書量や考える力にもつながる
「幼少期の頃から読み聞かせをしてもらっている子どもは、自然とたくさんの本と触れ合います。幼少期から3年生くらいまで、読み聞かせを続けると本好きになるとも言われています。一人読みが始まる6歳頃にこそ、親子で読書の時間を作ることが成人後の読書量や考える力にもつながり、時に折れた心を本が元気にしてくれることも。「読書」という学びの手段が、子どもたちの将来の成長に大いに役立ってくれますよ」。
ママの声にお答え!読み聞かせのあれこれQ&A
普段、家庭でママが読み聞かせをする際に感じている悩みや素朴な疑問について、仁科さんがアドバイスを伝授!
紙の素材や形などを確かめている年齢。だから本を舐めたり噛んだりしてもOK。この時期はストーリー性よりも触って楽しい、見て楽しいなど、五感を刺激する絵本をママが意識して選書するといいかも。
同じ本でも、子どもにとっては毎回新鮮で新しい刺激を受けています。今日はどんなところに興味を持っているのか、子どもの新しい気づきや観察力、想像力をしっかり感じてあげてください。子どもの思いがけない一面や成長に気づくことも。
現在は、ZOOMで絵本相談を行っている図書館も多くあるので、司書をうまく活用してみるのも◎。私のおすすめは海外の絵本。細かい描写や色彩豊かで美しく、芸術作品や画集を眺めているような絵本も多く、たとえモノクロでも、子どもは美しいと感じるでしょう。小さな子どもにこそ、「本物」にたくさん触れさせたいものですね。
“一緒に”よりも、ひとりひとりを尊重して、今日最初に読むのはどっち?など、お約束をゲームやくじ引きなど遊びを取り入れた方法で行うのも手。
ママやパパだけでなく、おじいさんおばあさんによる読み聞かせもオススメです。読み聞かせは、声のニュアンスや表現に読み手の人生が現れます。同じ本でも読む人が変わると違った絵本の魅力が感じられて、想像力の幅も広がります。ぜひ家族みんなで読み聞かせを楽しんでください。
【仁科幸子さんの絵本紹介】
おなかをすかせたドラゴンとためいきゼリー
この本のストーリー
街のはずれにある小さな公園に現われた看板を背負った黒ネコ。
看板には、“ためいきありませんか?大きく深いためいき、大歓迎!“の文字が。なんでもためいきを美味しい水あめにかえてくれるというのだ。
どこからかやってきた大勢のネコたちは、列をなして水あめを食べ始めるが…。
ネコの街を舞台に繰り広げられるちょっと変わったファンタスティックなお話。
読み終わった後には、『本当の幸せとは何か…』に気づかされる絵本です。