2023年3月に北杜市オープンした「手打ち蕎麦 満月庵」は、蕎麦の世界ではちょっと珍しい女性の蕎麦職人さんが営むお店。10月下旬ごろからは新そばの時期♪ということで、ひと足早くお店へ行ってみた。

国道20号沿いの北杜市武川町コメリの向かいと、比較的わかりやすい場所。「満月庵」…という店名にふさわしい、お月様をイメージさせる暖簾をくぐる。

店内はカウンター席とテーブル席、お座敷があり、お座敷には本棚に様々な書籍が並べられ、ゆったりとくつろげそう。

さすがは「満月庵」‼︎月にまつわる素敵な1冊も。たくさんの月とその物語が綴られ、「月の言葉」300語がびっしり。

さて、本題のお蕎麦へ。
女性店主の杉さんは、もともと東京で蕎麦教室に通っていて、趣味でよく蕎麦を打っていたんだとか。
そんな杉さんが蕎麦の世界にのめり込んでいったのは、8年前の八ヶ岳への移住がきっかけになったそう。昔ながらの職人イメージが強い蕎麦を、「もっと気軽にいろんなアレンジで楽しんでほしい」という。

二八蕎麦を中心に、夏にはみょうがや青しそを練り込んだ蕎麦や、秋はけしの実を炒ったものを打ち込んだけし切り蕎麦や、カボスや柚子切り蕎麦など、季節の日替わりで様々な蕎麦に女性ならではの視点が活きる。
本日の変わり蕎麦は茶そば。人気の炊き込みご飯セットでいただくことに。

蕎麦って、野菜が摂れないよねーなんてことは一切ナシ！付け合わせには自家栽培した野菜の小鉢が付き、これがまた素材の旨味を生かした優しい味わいで、身体に染み渡る美味しさなのだ。薄塩でみょうがやしその実がさっぱり。

女性が打った蕎麦は細く繊細で、見た目も美しい。蕎麦粉はすべて白州産で、抹茶の鮮やかな緑色と風味豊かな味わいが魅力の茶そばをつるつる。香り高く品のあるお蕎麦を堪能する。

具沢山の炊き込みご飯にも、自家栽培の野菜たちが。
角にひだが付いていて断面が可愛い「四角豆（うりずん豆）」なる珍しい野菜にも出合え、大満足♪

食後には、濃厚な蕎麦湯をブレンドした蕎麦スイーツを。
満月庵オリジナルの蕎麦プリンは、蕎麦湯のもったりとしたとろみ食感が特徴的だ。口の中でほんのり膨らむ蕎麦の香りと黒蜜のハーモニーが絶品の和スイーツ♪
これも杉さんが提案する楽しい蕎麦の食べ方アレンジのひとつなのだ。

新蕎麦の美味しい季節。
満月庵で手打ち蕎麦の醍醐味を存分に味わいながら、移りゆく季節の足音に耳を傾けて。