甲府市丸の内「穴切り神社入口」の交差点に「Chinese Dining 正宗」が2024年5月10日オープンした。実は、工事中からずっと気になっていたお店。

完全予約制のコース料理のみで一見敷居が高そうだが、ランチは飲茶コースがあるということで、早速行ってみた。シンプルモダンな落ち着いた店内は、カウンター3席と4人掛けテーブルが２つ、和紙のロールスクリーンの奥には6人用個室を配す。

ドリンクはワインや紹興酒などのアルコールのほか、中国茶も7種類と豊富に揃う。グラスはもちろん、グループ内でシェアできるポットもあり！アンティークの茶器がとっても素敵だ。

本日の飲茶コースのひと皿めは棒々鶏から。低温調理でしっとりジューシに仕上げた鶏は、その旨味を存分に味わえるよう、厚切りで供される。形状が違うだけでこんなにも感じ方が変わるのとビックリ。そして、ココナッツ風味のマッシュポテトや、ふわりとスパイスが鼻に抜ける香ばしいナッツのキャラメリゼ…もう付け合わせと呼ばせない、美味しすぎる存在感に圧倒される。
ひと皿めからのこのクオリティ、早くも感動が。山椒の爽やかな風味がほのかに舌に残り、その余韻に酔いしれていると、ふた皿めが運ばれてきた。

全てのコースにつく手作り点心は「Chinese Dining 正宗」の看板！ランチは通常2種類のところ、6月末までオープン記念としてナント3種類!!
すべて皮から手作りしたこだわりの点心は何もつけずに、そのままいただける。桜海老をあしらい、春野菜とぷりっぷりの海老をとじ込めた蒸し餃子、とびっ子の食感楽しく、豚肉と海老の嬉しいコラボレーションに笑顔がこぼれる焼売、そして、肉汁溢れるもちもちアツアツ小籠包…。上品で繊細な味に舌が喜び、五感が冴えていく。

飲茶コースのメインディッシュは、シェフのスペシャリテ含む3点盛り。大海老のマンゴーマヨネーズソースに、じっくり蒸したとろける豚トロの豆鼓蒸し、蜂の巣に見立てたコロッケはタロイモと鴨肉をあんにして、紹興酒とライチを感じるオリジナルソースで堪能。
中国料理というジャンルの枠から飛び出し、シェフの斬新なアイデアと発想からうまれたモダンネオチャイニーズは、まさに驚きと感動を与えてくれる。

〆は特製担々麺。白ごまのクリーミーな味わいと、辛さと旨味を両立させた濃厚なスープに箸が進む。食べ進める間に肉味噌がスープや麺にしっかりと絡むことで、さらに美味しさを増していくのだ。

濃厚なめらかな杏仁豆腐で、本日のコースは幕を閉じる。ミントのシロップが爽やかな食後感を後押し。
中国料理の技と伝統を吹き込みながら、和や洋のエッセンスを加えた「Chinese Dining 正宗」のオリジナルコース料理。今まで食べた何とも似てない、素晴らしい一品ひと品はシェフの無限の創意工夫の賜物だ。