Four Hearts Cafe
~よなよな時間の摩訶不思議~
〇月×日
80年代に大ブームになった“カフェバー“。
今ではすっかり聞かなくなったワードだけど、ウイスキーやビールだけでなく、食事やケーキとコーヒーまで楽しめる、おしゃれな店の代名詞だった。
バーなのかカフェなのかなんていうつまらないカテゴライズにとらわれず、海外のようにケーキやコーヒーを楽しむ人のそばで、アルコールをたしなむ。そんなオープンで自由な空気感が好き。
カフェバーブームは去ったけど、カフェとバーの境界線を越えるスピリットを感じる店は今もなお健在。
甲府の夜を彩る「フォーハーツカフェ」。
ビール派もワイン派もはたまたノンアル派もみんなが大満足できるという点で、貴重な一軒なのだ。県産ワインにこだわったこの店だけど、私はまずはクラフトビール!と決めている。
ビール通でもない私の心をとらえたのは、王道「よなよなペールエール」。
きめ細かい泡と美しい琥珀色した魅惑のビール。
思い思いの一杯を手に、とにかく乾杯!
そして、ひと口。
グレープフルーツとレモンの爽やかな中にも華やかさが香り、やさしい喉ごしにモルトの甘みが語りかける。
心地いい余韻に翻弄されながら「味と香りのストーリー」がはじまる。
エクセレント!!
軽井沢のちっちゃな醸造所が世界に挑むでっかい夢。
ビールという嗜好品を文化に変える、そのたゆまない努力と情熱が突き動かすストーリーに思いを馳せながら味わう。
ビール大好きKはToday`s Beer、洗練されたバランスに優れた“ファーイースト”の「IWA」を。
こだわりの強いMは、祝福のビール“ベアードブルワリー”の個性溢れるリッチで複雑な味わいの「ジョイ・デ・ビブレ」。
飲めないヒラミンはぶどうジュースをワインのごとくテイスティングして御託を並べるという、つわものぶりを発揮。
ドリンクのチョイスひとつにも、個性が際立つ愛すべき仲間たちは本当におもしろくて、ずっと一緒にいても飽きない。
ここは山梨の旬の食材がどっさり直送され、素材そのままを味わう料理がウリ。
カブをまるっと焼いただけや…
ジューシーなズッキーニを贅沢に!
これぞ、大地の恵みそのもの。
本日のサラダは、玉ねぎ大量収穫につき、すりおろし玉ねぎ山盛りドレッシングがたっぷり♪
我ら肉女のイチオシは砂肝の柚子バターソテー!
プリっプリのやわらか砂肝に、富士川町穂積の柚子を。さっぱり風味にバターが香り、絶妙に調和する。
自家製ザワークラウトといただくパリパリ皮のフランクフルターソーセージは、スパイス具合が私好み。
絶対頼むべきは、薄くてパリッとしたクリスピーなピッツァ。飲みながら、おつまみ代わりにパクパクいけるのがいい。
ピッツァを食べるとワインにチェンジしたくなるけど、今宵はそろそろ夜も更けてきたので、締めのデザートへ。
バニラアイスがドーンとのったフレンチトースト!
こんなボリューミーなものを最後に頼めるのも、大勢の醍醐味。
冷たい×温かいのマリアージュをゴージャスに満喫できる、幸せのスイーツに酔いしれる。
ヒラミンは、「おいしいからカロリーゼロ!」と訳の分からないことをまた言い出していた。
カウンター席もあるからおひとり様もいいけど、やっぱり気の合った仲間と食べて飲んで笑い合える時間は、最高のデトックス。
互いをねぎらい、他愛ない会話を楽しみ、おいしい時間を共有する。
一緒にいると、明日も頑張れるチカラをくれる、そんな面々。
よなよな時間の摩訶不思議。
-甲府市
料理と器とワインをこよなく愛するママ編集者。
性格がおおざっぱなため、お菓子作りは失敗しがち。
最近は酵母菌を我が子のように可愛がっているらしい。