和カフェ・染色 すぎのき
~時空を漂う~

閉店。
※現在は氷庵すぎのきとして営業
〇月×日
友達と話していると、「え~!その人知ってる~!」なんて、思わぬところで繋がったりする。これ、山梨あるある。
「山梨はほんと狭いわ~」
何度となく耳にしたセリフ。

でも。
訪れるたび
なんて山梨は広いのだろう…と
いつもそう思わせてくれる場所。

和カフェ・染色 すぎのき。
富士山の噴火にまつわる歴史を持ち、七本杉で有名な河口浅間神社の参道沿い。
築140年以上という古民家を改装した、風情のある佇まいに思いを馳せる。

さて、あんみつ?おしるこ?
みんなそう思う。
でも、ここに来たら、季節ごとに変わる手作りのフルーツタルトを食べなくちゃ!
今の季節はさくらんぼだ💛

靴を脱いで小上がりのお部屋へ。
取材の合間にふらりと立ち寄り、窓際のカウンターに座る。
小鳥のさえずりと、草木のざわめきの中でまどろむひと時が好き。
原稿を整理する時間すら、愛おしくなるノスタルジックな空間…。

奥では、上品で物静かなマダムがランチの逸品を作っている。
そんな横顔を眺めていると、なんだかほっこり幸せな気持ちになる。
「お腹すいた~」
ふと気づけば、ママの手料理を待つ、無邪気な子どものころに戻っていた。

運ばれてきたのは
みずみずしい季節の無農薬野菜たち!
特製ドレッシングが美味しくて、体の中からパワーがもりもり♪

そして、鮮やかなビタミンカラーのニンジンのポタージュ。
ほのかな優しい甘みとコク…うんうん、元気が出る!!

メインはほうとうスパゲティ。
マダムがイタリアホームステイ中、毎日のように手打ちして食べていたパスタ。その中で、フェットチーネがほうとうに似てるなぁとインスピレーションを得て、誕生したメニューなんだとか。

山梨の郷土料理も、マダムの手にかかればこんなイタリア~ンなひと皿に。
つるつると舌触りのよいモチモチほうとうと、ボロネーゼの旨味がよく絡み
buono!delizioso!squisito!!

さあ、お待ちかねのさくらんぼのタルトよ♪

真っ赤なルビーのような、つやっつやのさくらんぼに、しっとり手作りタルトがたまらない。

薄~くコーティングされた、さくらんぼジャムの爽やかゼリーと、甘酸っぱいさくらんぼのコンポート。
なんて素敵なハーモニーを奏でるのだろう。

口いっぱいに広がる甘い余韻に浸りたいから、今日はブラックコーヒーを。

日常の喧騒化から解き放たれ、時空を漂う。
山梨は広い…。

-富士河口湖町


料理と器とワインをこよなく愛するママ編集者。
性格がおおざっぱなため、お菓子作りは失敗しがち。
最近は酵母菌を我が子のように可愛がっているらしい。