Café Karfa
~食いしん坊の夢~
〇月×日
私はいつからこんなに食いしん坊になったんだろう。
小さい頃は食が細く、「残さず食べなさい」と言われることが本当に苦痛だった。
もう、あの頃には戻れないなぁ…。
そんなことを思いながら、今日も食べるためだけに車を走らせる。
県道28号北杜八ヶ岳公園線を気持ちよく走っていると、小鳥の看板が見えてくる。
ログハウス風の真っ赤な可愛らしいお店。
2020年7月末にオープンした「Café Karfa(カフェカルファ)」。
ここは、とにかく何を食べても美味しい!!
ランチはもちろん、手作りケーキに自家製クロワッサン…。
だから、扉を開けるときはいつも「今日は何を食べようか」と、ワクワクする。
私にとって食べることは、ささやかな夢のはじまり。
ナチュラルな木の風合いと、窓の緑がまぶしい店内はこぢんまりとしていて、とっても心安らぐ空間。
あった!!
クロワッサンと艶やかな季節のフルーツ。
コーヒーのいい香りに誘われて席に着く。
今日のランチは、前菜、サラダ、スープ、パスタにパンとドリンクが付くAセット。
契約農家から届くフレッシュな無農薬野菜がみずみずしさをたたえる。
こんもりと美味しそうに盛られたサラダと美しい前菜を目の前にして思い出す。
そうだ、私が食いしん坊になったのは、作ることの楽しさを知ってからだった。
料理によって、素材の力や組み合わせの妙、美しい盛り付けや器など、いろんなことに興味を持って、その奥深さにどんどん魅了されていった。
粒マスタードサラダ風モロッコいんげんに、坊ちゃんかぼちゃのバルサミコマリネ。
味こがねのグリルはバーニャカウダのソースで。
鶏レバーと豚肉のテリーヌは津金リンゴの赤ワイン煮と共に。
どれも手の込んだ、お店ならではのスペシャルなものばかり。
白菜と小松菜のポタージュの優しい味が、冷えた体にしみわたる。
メインのパスタは、+200円でリゾットにも変更できる…
けど、私はパスタに!
大好きなトマトクリームには、八ヶ岳湧水鱒とごぼうという、やっぱり家ではお目にかかれない組み合わせ。
トマトの酸味がしっかり活きた鱒のボロネーゼは、コク深く濃厚ながら、それぞれの素材の旨味をしっかり舌で感じられる。
どんなにお腹が満たされていても、スイーツの誘惑に絶対勝てないのが、ここカルファの恐ろしいところだ。
牛みたいに胃袋が何個もあったらいいのに…。
香しいコーヒーと魅惑のスイーツ。
これぞ、食いしん坊の夢にふさわしいフィニッシュ。
光り輝く太陽のような色をしたフルーツほおずきがのったショコラ・リチを。
なめらかな口どけのよさと豊かな香りが広がる、高級感のある味わいに酔いしれる。
イタリアンの修業と同じくらいの年月をかけたというパティシエでもあるシェフの、こだわり抜いたスイーツ。
中にはライチのゼリーが!
そして、フルーツほおずきをひと口。
トロピカルな風が吹き抜ける、爽やかで甘い新食感にとろける。
コーヒーは、長野の焙煎工房豆玄のものを使用。
中深煎りと深煎りのオリジナルブレンドを味わいながら、またここで新しい夢を見たいと思う。
食べることは夢を見ること。
また、新たな夢を追いかけて…。
-北杜市
料理と器とワインをこよなく愛するママ編集者。
性格がおおざっぱなため、お菓子作りは失敗しがち。
最近は酵母菌を我が子のように可愛がっているらしい。