Release:22.07.21
日と月
~毎日と器と私~
〇月×日
美食家で知られていた、かの北大路魯山人は“器は料理の着物”と言った。
料理のTPOによって器も着替えると、毎日の暮らしにいつでもぱっと豊かな花を咲かせることができる。
毎日家族のために食事を作り、それは何も特別なことではなくて、いくら料理好きの私でも、別にウキウキすることでもなくて…。
そんな日常の中で、器は私の心をリフレッシュさせ、モチベーションをアップさせてくれる大切なエネルギー!
だから、今日は韮崎市白山のふもとに佇む器屋さん「日と月」へ。
入口までのアプローチも楽しく、雄大な八ヶ岳を一望できるロケーションが最高に開放的な気持ちに♪
アンティークな家具に囲まれた店内には、隣の工房「日月窯」で作った器をはじめ、オーナーの三井さん自らがお店に置きたいとセレクトした全国の作家さんの器や雑貨が揃う。
日月窯二代目、亮さんのつくる器は、すももや桃、ぶどうなどの山梨の果物の枝を釉薬にして色付けした独自の技法で、一つひとつ違った表情で穏やかに語りかける。
とても繊細でやわらかな優しい温もりに溢れていて、まさに毎日使いたくなる器だ。
「自然から受け取った素材にあらがわず 耳をすまし 手をかけ 時間をかけ 掬い上げる…」。
作品から、つくり手のメッセージや思いを受け取れるのも、このお店の魅力。
奥のカフェスペースでは、オーガニックの和紅茶と奥様手作りのプリンを楽しめる。
本日は宮崎産オーガニック紅茶「ゆず紅茶」と平飼い卵のクリームチーズプリンをセット(990円)でいただくことに。
自然に寄り添った亮さんのカップに、ゆっくりと紅茶を注ぎ、自然でやわらかな風味を楽しむ。
忙しない毎日の中で、紅茶を淹れる、何気ないこんな一連の所作が心の満足感と豊かな時間を与えてくれるのだ。
シンプルだけど、丁寧な手仕事が感じられるコク深いクリームチーズプリンが舌をまったりと包み、自家製レモンピールがほのかな爽快感を運ぶ。
普段、触れることのないものや出会わないものと過ごすひと時。
器が毎日を彩り、私の心を健やかに保ち、リフレッシュさせてくれる。
毎日と器と私。
これからもずっと変わらずに。
-韮崎市
器ありきの料理を考えるのが趣味のママ編集者。ホームパーティにはテーブルコーディネートやお部屋のデコレーションまで張り切るが、最近は成長した子どもたちの反応が薄いと嘆いている。