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2019年10月1日

音楽を届ける高校生|青柳 大空さん

プロフィール

甲府市出身 甲府市在住。
2019年8月1日から31日まで甲府駅ペデストリアンデッキに設置されていた『山梨ストリートピアノin甲府駅北口』の発起人であり、山梨県立甲府南高等学校に通う高校3年生。
学業のかたわら、毎日ピアノをたしなむ。
現在は大学受験に向けて猛勉強中。
ひとつのピアノを中心に
生まれる大きなコミュニティー
音楽を届ける高校生|青柳 大空さん
甲府駅に響き渡るピアノの音色。
今年の8月1日から31日まで甲府駅ペデストリアンデッキに設置されたストリートピアノには、老若男女、県内外から多くの人が訪れ、ピアノとその空間を楽しむ姿がありました。
そのきっかけを作った青柳さんは、なんと現役の高校3年生。
高校生でありながら、地域を巻き込んだ大きなイベントを企画・成功させるまでに至った経緯と、その原動力を探りました。

山梨にもストリートピアノを置きたい!

音楽を届ける高校生|青柳 大空さん
山梨県立甲府南高等学校に通う青柳さんは、6歳からピアノを始め、今でも勉強の合間に毎日ピアノを弾くほど音楽大好きな男子高校生。
幼少期から、ジャズ愛好家の祖父とピアノを弾く母の影響を受け、所属していた軽音部ではドラムを担当。
マルチに音楽と関わる学生生活を送ってきました。
音楽を届ける高校生|青柳 大空さん
そんな青柳さんが山梨にストリートピアノ設置を実現させようと動き出したのは、2019年3月のこと。
「山梨にストリートピアノを置きたい!と強く思うようになったのは、浜松でストリートピアノを弾いたことがきっかけでした。そこではいろんな人が思い思いにピアノを楽しんで、それを聴く人も一緒になって心地よい空間を作っていて…。その頃からメディアでもストリートピアノが注目され始めていて、山梨にもピアノを身近に感じて楽しめるスペースを作りたいって思ったんです」
音楽を届ける高校生|青柳 大空さん
そう語る青柳さんは、実はそれまで消極的で、自分が主になって何かを企画してアクションを起こしたことはなかったのだとか。
ストリートピアノに関しても、最初は誰かやってくれないかな、という願望を持つだけでしたが、現実は一向に変わらず。
このままでは何も変わらない…。「多くの人が気軽にピアノに触れられて、ピアノを中心にいろんな人が集うコミュニティーを山梨にも作りたい!」という強い気持ちが青柳さんを突き動かしました。

気持ちだけじゃダメ

音楽を届ける高校生|青柳 大空さん
山梨ストリートピアノ実現のために、青柳さんがまず行ったことは企画書作り。
高校生が企画書?!と驚きの発想ですが、特に誰かのアドバイスを受けたわけではなかったのだとか。
「実現するためには気持ちだけじゃダメだ、って思っていました。だからまず、全国各地のストリートピアノを調べて、その問題点とか課題とかの洗い出しから始めて。自分が「これならできる!」って状態まで計画を練って、それを企画書の形に落とし込みました」
音楽を届ける高校生|青柳 大空さん
しかし、強い気持ちや企画力はあるものの、実現する方法がわからなかった青柳さん。
そこで、実現できる力を持つ人の目にとまることを期待して、作成した企画書をSNSで発信することに。
そしてそれは青柳さんの思惑通り、山梨住みます芸人のいしいそうたろうさんへとつながり、さらにそこから展開して、最終的に16名の賛同者が集結しました。
「メンバーの方々は、僕をすごく支えてくれました。特にいしいそうたろうさんには本当に助けて頂いて。いしいさんのおかげで、僕の手書きの企画書が清書できたり、申請関係もスムーズにできました。他にも調律師や、デザイナー、カメラマンの人とか、それぞれの技術を活かして企画を実現まで結びつけてくれたんです。初めて大人と一緒に活動して、新鮮な意見をたくさん聞けて、自分も大人の世界に足を踏み出せた気持ちになりました」

やりたいことをやったらいい

音楽を届ける高校生|青柳 大空さん
受験生の夏という大事な時期に大きなイベントをやることに対して、家族は心配ではなかったのか?と聞いたところ、「むしろ温かく応援してくれた」という意外な答えが。
「勉強しなさい、とか一度も言われたことないんです(笑)。両親は『やりたいことをやったらいい』という方針で、小さい頃から自由にやらせてくれました。今回のこともすごく応援してくれていて、セッションイベントは毎回見にきてくれました。母とは対照的に、父をはじめ父方はスポーツ家系なんですけど、僕が音楽をやることを後押ししてくれています」。

ピアノでつなぐ人の輪

音楽を届ける高校生|青柳 大空さん
大盛況の中、惜しまれつつ幕を閉じた山梨ストリートピアノin甲府駅。
そして青柳さんは今、年明けに控えている大学受験に向けて猛勉強中です。
そんな青柳さんの将来の夢は、“ピアノを設計する仕事”。
「ずっとピアノが好きで続けてきたこともあって、ピアノの根本に携わる仕事に就きたいと思っています。ピアノメーカーのKAWAIに“SHIGERU KAWAI”というピアノがあるんですけど、その優しくてキラキラした音が好きで、自分もその音を作りたくて」
音楽を届ける高校生|青柳 大空さん
一方で、今後も山梨ストリートピアノの発展に関わりたいという希望も。
「山梨ストリートピアノを継続することが僕の願いです。今回ストリートピアノには、いろんな年代や国籍の人が、ピアノが弾ける・弾けない関係なく積極的に参加してくれていて、ピアノを中心に活気溢れる空間が生まれていました。この空間を甲府駅だけでなく、山梨県内各地に広げていきたいんです。進学や就職で直接関われなくなっても、「山梨にもストリートピアノがあるんだよ」って情報を発信したり、何かしらの形で携わっていきたいと思ってます」
音楽を届ける高校生|青柳 大空さん
高校生でも、強い気持ちと行動力があれば大きなムーヴメントを起こすことができることを証明した青柳さん。
彼にとって山梨ストリートピアノin甲府駅北口は、まだスタートに過ぎません。
大好きなピアノをもっと多くの人に触れて知ってもらう。
そして、そのピアノを中心に大きなコミュニティーを生み出す。
そんな世界を目指す青柳さんの未来は、ピアノの音色のようにキラキラと輝いています。
★「山梨ストリートピアノ」の取材記事はこちら!
https://www.porta-y.jp/83969
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