Release:23.07.07
ザ・ディアグラウンド
~異国の風にのって~
〇月×日
20代の頃は給料の殆どを海外旅行と外食に使っていた。まだ見ぬ異国の地は、当時のフレッシュな私の心にダイレクトに訴えかけた。
その国のにおい、吹き抜ける風、空の色。道路を歩く人々の足音さえ、何もかもが違ってみえて、それはそれはドキドキとワクワクの連続!
そして、現地での食事はまた、ただのハムエッグですら、その国の文化の味がした。
そんな、あの頃の感覚がふと蘇る店がある。
富士吉田のカフェ、ディアグラウンド。
3階は「オールドマンズテーラー」のファッションアイテムが揃うショップで、2階がカフェスペースになっている。
階段の先に広がる、イギリスのB&Bを思わせる可愛らしい英国スタイルのインテリア。
キッチン前に並ぶスコーンやクッキー。
窓からこぼれる優しい光がふっと異国の風を運び、遠い昔に訪れたイギリスでの日々が色彩を取り戻す。
懐かしい気持ちに包まれ、カフェスペースで販売するアンティーク雑貨やお茶を見て歩く。
ふと目にとまったのはハタオリの街で作られたリネンのキッチンクロス。手触りがよく、柄も色々あり、何枚かお気に入りを揃えたくなっちゃう。
そして、肝心のカフェメニューは…。
ここに来たらやっぱりスコーンが食べるべき!なんだけど、実はグラタンも絶品なのだ。
ということで、本日はグラタンとブラックティー、さくらんぼのタルトをいただくことに。
スコーンはテイクアウトすればいいっか。
ベーコンのエキスたっぷりのグラタンには、さらに大ぶりのプリップリのエビまで入って、なんて贅沢!
香ばしいチーズがとろけ、クリーミーな旨味が口いっぱいに広がる。
食後は、さくらんぼが甘酸っぱいタルトを彩る手作りの美味しさに癒され、紅茶の芳醇な香りや味を楽しみ、最後の一滴まで味わい尽くす。
ポットで楽しむブラックティーが、香しいイギリスのアフタヌーンティーさながらの優雅な時間を演出してくれる。
異国の風にのって、懐かしい記憶の中に旅させてくれるひと時…。
お茶のあとは、3階へ。
富士吉田が生んだハタオリの文化を感じながら。
-富士吉田市
料理と器とワインをこよなく愛するママ編集者。
性格がおおざっぱなため、お菓子作りは失敗しがち。
最近は酵母菌を我が子のように可愛がっているらしい。