willow yamanashi
表現の幅を広げるクローゼット

〇月×日

自分を表現するものは、この世にたくさんありふれている。

言葉で伝える、身体をつかうなどの形のないものから、絵を描く、料理をするなどの形のあるものまで。

さらに、ファッションもまた、自分を表現する1つのツールだと思う。

私は身長が170cmある。

学生の頃、この高身長なことが本当にコンプレックスだった。

当時はXLサイズに可愛いデザインはなかったし、靴だってTHEメンズなNIKE一択。

そんなわけで、“私の人生は楽しくなかった。だから私は自分の人生を創造したの”。
と、偉大なるココ・シャネル様が残した名言に習って、この身長を活かすことに振り切り、髪をショートに、服装もメンズライクにしてみたり、古着屋さんで買った服をリメイクしてみたりして、自分のオリジナルを自分の手で作ってみたこともあったっけ。

大人になった現在、高身長女子のためのブランドや、25cm以上でも可愛いヒールが販売され、昔よりも自分が着てみたかった服を簡単に着られるようになって、もっともっとファッションの幅を広げられるようになった。

そして、大人だからこそ、ファッションにお金をかけられるようになったのも楽しみの1つ。

自分のコーディネートと大人への一歩を踏み出すアイテムがここ「willow yamanashi」にある。

2022年12月、昭和町にオープンした「willow yamanashi」はオーナー保坂さんがセレクトするトレンドに左右されない国内外ブランドのアイテムやオーダーメイドのスーツやバック、シューズを取り扱うセレクトショップ。

店内は開放感のあるブティックでブランドごとに、種類ごとに、アイテムたちが丁寧に自分達の場所に入居されているかのように並ぶ。

ビタミンカラーが随所にちりばめられ、見ているだけでもわくわく。

このカバンは旅行に。

このお洋服はお呼ばれに。

…なんて、創造力が働いて感性が研ぎ澄まされていく感じ。

際立っていたのはヘルシーなオレンジカラーが特徴の「Hermès（エルメス）」。

山梨県内では取り扱い店舗が私調べだと少ない（いや、ない…?）くらい、滅多にお目にかかれないので、訪れた際はチェックしてみるべし。

私がこの場所に足を運ぶのは、一点物とのめぐり逢いを楽しめるから。

実際に目で確かめ、触れられるからこそわかるアイテムの質感と大きさ、プレミア感や出会えた時の高揚感を味わえるのが醍醐味。

そして、大人だからこその贅沢だなぁ。と感じるのはオーダーメイドの世界。

自分のこだわりも、体型などの悩みも、すべて形にして解決できるものがオーダーメイドの魅力だと思う。

提携のテーラーの織りなすシャツやジャケットのほか、靴までオーダーできるとか。

光の加減で色味が絶妙に変わる繊細なディテールに大人の品格を感じる。

いつかは私も自分の身体のラインにフィットするジャケットを作ってみたいな。

そんなことを考えて視線を下に向けると、オーダーメイドのコーナーになんとバッグも!!

「え、これも作れるんですか?!」

「もちろん。私も仕事のカバンはこれですよ」と素敵なグレージュに裏地が鮮やかなイエローの元気の出るカラーリングの私物バッグを見せてくれたオーナーの保坂さん。

これは仕事用のカバンに良い大きさと、革の柔らかさ…!!

間違いなく世界一可愛いバッグが作れるに違いないっ。

もうすぐ誕生日だから、お仕事を頑張るためにも自分へのご褒美にオーダーしちゃおうかな♡

あの頃、私がメンズライクな服装をしていたからこそ、ショートヘアが意外と似合うことも、身長があるから映えるお洋服があることにも気づくことができた。

当時、自分でそれを選択したからこそ、コンプレックスを克服した今に繋がっている。

現在、編集者としての仕事をし、まだまだ未熟だけど、これから「自分のスタイル」というものがこの先、確立されていくのだと思う。

流行は変化していくもの。だけど、スタイルは永遠。

コーディネートの幅だけでなく、表現の幅を広げる“引き出し”を増やして、自分のスタイルを貫く大人女子にいつかはなるぞ～。