Release:23.03.08
秘密の花園
コサージュ Cobaco
〇月×日
小さいもの、繊細なもの、古めかしいもの。
そんなものに惹かれるときって、その裏に隠された魅力がある。
ただ小さいだけ、細かいだけ、古いだけじゃ心躍らない。
きっとそこに必要なのは、丁寧に込められた作り手の想い。
手作りの世界に魅了されたオーナーが営む甲府市住吉にあるCobaco。
コサージュを始め、かぎ編みのレースや染め花のリースなどのアイテムが並ぶ。
染め花の教室もやっており、同じように手作りに惹かれたマダムたちが集い、まさに秘密の花園。
店内には、まるで妖精のために作られたような、小さくて可愛らしい作品がたくさん。
こんな大きな人間が触れていいのかと戸惑うほど繊細で、なんとも美しい。
ランウェイを歩くモデルの洋服についていたコサージュ。アパレルブランドのショーを見ていたオーナーは、洋服よりもそのコサージュに心惹かれたそう。
その後、すぐにブランドデザイナーからコサージュのデザイナーを紹介してもらい、そのまま教室に通い、今日までその魅力に取りつかれ、そして自身も広める立場となる。
中でも奥深さを感じたのは、染め花。
色の調合から濃淡やグラデーションにおけるまで、一度として同じ色は再現できない。
その一期一会の出会いこそが、手作りの魅力。
花びらの布は、このコテを使って形を作っていく。葉や萼(がく)なども、このコテで癖をつけて立体的に。
そうして一つひとつ丁寧に作られた花びらを重ね合わせ、作品にしていく。
「はじめまして、こんにちは。」
そんな気持ちで完成を見届け、できた作品たちが店内に並ぶ。
アンティークとヴィンテージの違いは100年を境にはっきりと分かれている。
100年以上昔に作られたものがアンティーク、未満のものはヴィンテージに区分され、その長い時の経過によって価値が高まる。
Cobacoで扱う作品は「時とともに」をテーマに作られており、時代を超えて愛されるようにと、一枚の布や一本の糸に命を宿す。
「自分が死んでも、物は残るじゃないですか。そうやって生きた証が残るのがいいですよね。」とオーナーは笑う。
自身もアンティークのアイテムを見つけたときは、その出会いにときめき、つい手に取ってしまうそう。
自分の手から生まれたものが、時代を超えて誰かの宝物になる。そんな宝のタネが次々と生まれては、花開く瞬間を夢みて…。
今日も秘密の花園では、美しい花を咲かせているだろう。
シンプルだけど、ひと癖ある小物やお洋服が好きなサブカル女。
いっぱい食べてもお腹が苦しくならないシャツワンピ大好き!
セレクトショップでの出会いは一期一会だから、と言い訳していろいろ買いがち。