某日PORTA内にて、山梨にある「学生が運営するお店」のオーナーやメンバーに集まっていただき、座談会を開催。学生と店経営の二足のわらじを履き、全力投球するその熱い思いや実際のエピソード、これからの夢などに、3人のMiraiプロジェクトメンバーが同じ学生の目線でうかがいました。様々な思いと意見が交差する、エネルギー溢れる楽しいひと時となりました。
立ち上げた僕を含め3人に共通していたのが、お酒好きでとにかく食べることが大好きってこと。「学生時代に何か面白いことやりたい」「お酒を飲みながら、人と語らったり触れ合ったりするって楽しいよね」「居酒屋やバーの雰囲気ってすごくいいね」それが活動のきっかけになり、キャンバスの「食を通して人を笑顔にする」というコンセプトに繋がりました。
ソワーズは僕の体験から。都留で下宿するようになって、初めて地域の人達と交流する機会ができました。それまでの3年間は学生としかいなかったから、「大人」と接することが新鮮でいろいろ刺激を受け、今までの3年間もったいなかったと思いました。もっと若いうちから、地域に溶け込める場があればいいのにと、カフェを思いついたんです。
今日はお集まりいただきありがとうございます。黒澤さんと梶原さんのおふたりは、創設メンバーですね。立ち上げには苦労したことも多いのでは?
ゼロからイチにするには苦労はある。でも、僕はそれこそが価値だと思う。何かをつくるための苦労は、むしろ楽しいです。大変といえば、その手前かな。仲間集めだったり、開業するための事務的な手続きだったり。
そうそう、大変なのは仲間集め、開業するための事務的な手続き、物件探し! 1年半近くかかった(笑)。やっと決まったら、次は掃除!畑の草もすごすぎて(笑)。何もなかったところから、まさに開拓した感じです。
ソワーズはレストランを居抜きしたんですが、ほんと汚くて~(笑)。掃除をSNSで呼びかけたら、メンバー以外の人もたくさん集まってくれて。大変だったけど、とても印象的な出来事です。
司会
それは大変だけど、心に残る素敵なエピソード!いろんな人の力を借りて、スタートできたんですね。
いざ開業してからは、順調に進みましたか?
最初は「全員がオーナー」を掲げ、13人が責任感を持って運営しようとしたけどうまく回らず、結局、係を決めて役割分担。チーム内のメンタルを支え、内装やメニューなどを担当する店舗管理部門、売上や内部コストを管理する経営部門、そして広報と3つの役割を作りました。
僕はとりあえずやってみよう!というタイプで。でも、他の2人はしっかり準備する派。そもそも人間的にタイプが違った。だからよく喧嘩しました。人を束ねるって本当に難しい。意見をまとめて同じ方向を向ける…これが上に立つ者の手腕ですね。勉強になりましたよ。
司会
ただ学生として過ごすのとは格段に違う、学ぶものが大きいですね!
店側として、様々なお客様と接することで、得られたものも大きいのでは?
オープン当初からのお客さんは、ほとんどが常連さんです。一番僕が意識しているのは、リピーターを作ること。そのために、今自分ができる最高のサービスとは何かを考え、お客さんが求めている最高の接客をしようって心がけています。
そうやって、次に「来たよ!」と声をかけてもらったとき、ものすごく嬉しい!
カフェを始めるまでは、地域の人と関わることや同じ学生でも学科が違うとほとんど面識がなかったから、すっごく刺激的です!(笑)
司会
学生達もよく来るんですね!
一同
すごい来る!(笑)
時間があくと、ふらっと来てくれます。ドリンクも300円で安いし、おしゃべりして時間をつぶしていきますよ。
よく「バイトと一緒でしょ?」とか「意識高い系の人ね」と言われますが、どれもちょっと違う。お金を稼ぐことが目的でもないし、私も意識が高いわけではなく、何となく面白そうかなって。何もないところから、ふらりと来て何かを見つけていく、そんなきっかけにして欲しいな。
うんうん、アルバイトとは違うよね。
「自由でいいね」とかも言われる(笑)。僕が今目指しているのは「普通の飲食店」。ちゃんと利益出して、給料だって普通の店と同じように出したい。
売上は自分達に還元されているんですか?
正直まだまだ。計算はしてる(笑)。まず全員で出資、月ごとに赤字・黒字を割り出し、利益が出たらどう運用するかを話し合って決めます。いい時もあれば、閑散期もあるから、少しずつプールしてどう運用するか、お金の流れを勉強しながら経営を学んでる。時給ではなく、出資したお金をどうリターンするか。ノーリスクの共同経営を目指しています。
キャンバスは歩合制。たくさん売り上げれば、たくさんもらえる。毎月売り上げ目標を立てて、達成したらそのお金で飲み会(笑)。
そうなんだ!すごい!
それもひとつのやりがい。目標を立てて、それに向かってクリアできるように頑張る。クリアできたら乾杯!
それ、分かりやすくていいね!飲み会よんで!(笑)
一同
爆笑
司会
盛り上がってきましたね(笑)。
この活動をこれからどのように活かしていきたいか、今後の夢などはありますか?
山梨って本当に人と人との距離が近いなあって思いました。すごく居心地がいい。大学で地域活性化とかコミュニティについて学んでいたので、ソワーズの活動もまさにその延長線上にありました。卒業していったん都留を離れますが、この土地が大好きだから何かしらで繋がっていたいなあ。大学で学んだことをカフェに繋げ、カフェで学んだことを社会に繋げていけるよう頑張りたい。
都留文の学生って、地元じゃなくても卒業してから不思議と遊びに来るよね(笑)。卒業でメンバーは入れ替わるけど、いつ帰っても変わらずにそこにある、ソワーズはそんな空間であって欲しい。
司会
めっちゃいいですね、それ!
私みたいにふらりと来た人が、ソワーズで過ごしているうちにやりたいことが見つかった!みたいな。私もちょっとずつ変わったから。そんな人を増やしたいな。
僕は数字が見られるようになって、どうやって会社が運営されているのか、少し分かった。今まで見落としていた業種もあったし、気づかなかったことに興味を持つようになりました。
司会
例えばどんなこと?
この豆の原価いくらだろうとか、どんなサービスが喜ばれているのかとか、この水はどこの水だろうとか。選択肢が広がりましたね。
接客するうちに、直接人に会って、お客さんが喜んでくれるような職業につきたいと思うようになりました。何か、人が喜ぶこと、その喜んでいる姿を実際見られることをしたい。
司会
皆さん、この活動を通じていろんなものを見つけたんですね!
学生の力って、すごいある。特に山梨の学生はパワフルですよ。ソワーズやイイラなど、力のある学生団体が多い。
店舗があっても、やっぱり自分達から外に出て行かないと。店でお客さんを待っているだけじゃ広がらない。キッチンカーで移動販売するとか自ら外に出ることで、人と人とを繋げていけると思う。
山梨は頑張ってる学生団体がたくさんあるから、それぞれの団体で活動するだけじゃなくて、もっと交流するといいよね。
確かに。交流会や一緒に出店するとか。“楽しかった”で終わらない、もう一歩先にある数字的な達成感とかを共有したいな。例えば学生市。拠点を変えて、マルシェを開催する。ハンドメイドしている人も多いし。
それ、いいね!
司会
他店舗とのコラボっていうのもとても魅力的!夢は話しているうちに、どんどん広がっていきますね!
では、最後に各店舗の未来計画を教えてください。
まず、内部環境を整備して引き継げる仕組みを作る。2つめは、「店」として成り立たせる。学生の店だからではなく、この料理を食べたいとか、この人に会いたいとか店ならではの確固たる魅力を持つこと。3つめは普通の飲食店とは違った切り口で、アプローチする。例えばオンラインのメディアを立ち上げるとか、人と人とを繋げるきっかけになりたいです。
キャンバスは今いるお客さんを大切にしながら、客数を増やす。お客さんの「数」を増やすことで、地域にも貢献できると思う。あ、あとメンバーの数も増やしたいです(笑)。
一同
笑
まず、若者が盛り上がることが大切!若い人がいると活気があるから。若者が輝ける社会を作ることが大切ですね。
「都留は大学があっていいね」って、よく言われるね(笑)
ここを離れるのは、本当に寂しいな。
人は外に出ていく必要もあると思う。ずっといると、よさが分からなくなる。山梨のいいところ、魅力をいっぱい持って外に出て、結婚して新しい家族や友達を連れて戻るみたいな。どれだけ人を連れてきたくなるか、ここに戻って来たい理由を多くの人が持つことが重要なんじゃないかな。
一同
うなづく
今日は様々な発見のある意見交換ができ、有意義な時間となりました。ありがとうございました。
一同
ありがとうございました。
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