Release:21.02.18
子供の耳掃除~耳鼻科医に聞く!頻度は?正しいやり方は?
子どもの耳掃除に悩むママは多そう…!そもそもする・しないから始まり、頻度は?耳かきかめん棒か?やり方は?などなど、知りたいことはいっぱい~。
そこで、今回は甲府市の向町医療福祉モール内にある、「先生が優しい♪」とママに評判の石山耳鼻咽喉科クリニックへ。 いただいた質問をもとに、石山哲也院長先生にお答えいただきました。
4歳女児の耳掃除に困っています。おとなしくやらせてはくれないし、どのくらいの頻度でやるべきものなのか教えてほしいです。耳かきがいいのか、めん棒がいいのか…。先日スキュリュー型がいいと聞き、金属のらせん状のモノを購入しましたが、やっぱりいまひとつで…。 (4歳女児・甲府市/イヤ~イヤイヤ)
目次
耳垢はとったほうがいいの?
耳垢は古くなった皮膚や分泌物の塊。自然に押し上げられて出てきて脱落するものだから、耳かきはしなくてもいいという考え方もあります。
というのも、耳の構造というのはちょっと特殊で、外耳道の皮膚は、内側から外側に向かって移動するという自浄作用があるんです。
むしろ、耳掃除によって外にせっかく出ようとしている耳垢を奥に押し込んでしまったり、外耳道を傷つけ、かえって他の疾患を起こしたりと、様々な支障を招く恐れがあります。
幼児の耳掃除のやり方は?
基本的に耳掃除は不要といっても、耳の穴周辺に耳垢がたまっていると見た目の問題や、子ども自身が違和感やかゆみを感じて耳をいじって傷つけてしまう、ということも。
あくまでも個人の考えとしては、2週間から1カ月に1回程度、耳の入口から見える範囲を軽く拭き取るように、耳かきで掃除する程度がよいと思います。
耳鼻科では極細のめん棒やピンセットを使いますが、市販のめん棒では太すぎて、子どもの小さな耳をふさいで、耳垢を奥へと押し込んでしまいかねません。
耳穴に近い部分は軟骨なので、耳掃除をしても痛くないのですが、鼓膜に近い内側2/3は骨部といって皮膚も薄く、とても傷つきやすいのです。
大人に比べてこの外耳道が子どもは短いので、容易に骨部に到達してしまうため、傷つけないように、また鼓膜を突いてしまわないように注意が必要です。
また、水泳の前や直後に耳掃除で損傷すると外耳炎を引き起こす危険性があるので、水泳前後は控えましょう。
耳かきの注意点
- 内側までやりすぎない
- 耳かき棒は短く持つ
- ほかの人(兄弟など特に子ども)がいないところでする
- 座って行う
- 耳かき棒は各個人用にして清潔に保つ
こんな時は病院へ!
痛みやかゆみがある・聞こえが悪い・固くなって穴を塞いでいる・ひどく湿っている・強く匂う・耳垢が黄色く膿んでいるようなど、違和感を感じた時には、病院で診察を!
耳垢を完全にきれいに除去する必要はありませんが、耳の穴を耳垢で塞いでしまって聞こえが悪くなっていたり、また、耳の奥の鼓膜を観察するのに耳垢で見えないときには専門医でとってもらいましょう。
耳垢がたまりこんでしまうのは、外耳道の自浄作用が働いていないということ。
「耳垢栓塞」は治療として耳垢除去が必要になります。
先生からのアドバイス
3歳児検診などの場で、鼓膜までしっかり見たいのに、耳垢で見えないことが多々あります。
検診の場はあくまで「検診」であって、耳垢をとるという治療行為は器材も環境も整っていないためにできません。
せっかくの検診の場を無駄にしないためにも、事前に耳掃除しておきましょう。
\教えてくれたのはこの人/
石山耳鼻咽喉科クリニック
石山哲也 院長先生
山梨県立甲府第一高等学校、信州大学医学部卒業。
信州大学医学部付属病院、国立松本病院、市立甲府病院副院長を経て、平成29年開業。
耳、鼻、喉、めまいの症状のほか、41項目アレルギー抗原検査(事前に電話にて要問合せ)にも対応。
基本情報
※急患の場合は予約なしでも随時受付
●月〜土曜日
8:30~12:00
【午後】
●月・火・木・金曜日
14:30~18:00