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美味しい笑顔を届ける桃農家 | 森田 絵美さん

森田絵美さん(31歳) 笛吹市出身 
モリタファーム


「こんにちは!今朝もさっきまで畑で桃の世話をしていたんですよー!」
取材に訪れたのは6月。
暑い中でも爽やかな笑顔で出迎えてくれたのは、モリタファーム代表の森田絵美さん。
彼女が運転する桃色のキッチンカーは知る人ぞ知る地元の名物カー。


かつぬま朝市を始めとする県内外のマルシェに勢力的に出店し、桃の世話もしながら河口湖駅前にてほぼ毎日このキッチンカーで過ごしているんだとか。
今回は森田さんが桃農家に至る経緯、ご主人との出会い等さまざまなエピソードを紹介します。


転機となった21歳の決断

笛吹市御坂町の桃農家に生まれ、高校生までは地元で暮らし、都内の大学へ進学。
そんな彼女に転機が訪れたのは2007年21歳の時、大学を1年休学し単身オーストラリアに向かった時のこと。

「ずっと行ってみたかったし、社会人になってから長期間行く事はできないだろうと思ってワーキングホリデーに行ったんです。実はカナダも候補のひとつではあったのですが、オーストラリアの方が住んでいる人が優しそうだし、治安も良さそうだし、なにより気候が暖かそうだったから。私、寒いのが苦手なんです(笑)。」

滞在中はエアーズロックリゾートにあるホテルに勤務することになった森田さん。
そこで現在のご主人であるニュージーランド人のマットさんと運命の出会いを果たします。


「友人が現地にいたのでエアーズロックに遊びに行って、その友人と同じホテルで働いていたマットと出会って…私も彼らが働いていたホテルで働き始めたんです。マットとはお互いに一目惚れでした。」

1年間のワーキングホリデーを終えた森田さんは日本に帰国し、大学卒業後は都内の旅行会社に就職。
その間もマットさんとは遠距離恋愛を続け、2010年に結婚。
これを機に森田さんは再びオーストラリアへ向かいます。


日本と海外の桃の違いに愕然

渡豪後、ご主人と一緒にケアンズで暮らし始めた森田さん。
そこで目の当りにしたのは、桃農家の娘として生まれ育った森田さんにとって驚愕の光景でした。

「向こうのマーケットで桃が何段にも積み重ねられていた事にとても驚きました。固いからつぶれてはいないけど、日本ではありえない光景ですよね。サイズも小さいし、美味しくない。当たり前に美味しかった山梨の桃がとても恋しくなってしまいました。」

海外に出た事で改めてわかった祖父母・両親が丹精込めて育てる桃の素晴らしさ。
桃の本当の美味しさを海外の人にも知ってほしい、という気持ちが芽生え、「どうしたら気軽に食べてもらえるか?」「スムージーにしてみてはどうか?」など検討するようになります。
そんな矢先、突然日本から御祖父が体調を崩したという連絡が入り、もともと桃の販売ビジネスに興味をもっていたマットさんの後押しもあって、地元に帰ることを決意します。


キッチンカー出店

山梨に帰ってきてからは、地元ですでに商売をしている人にアドバイスを受けたり、事業計画書を作成したり、スムージーのレシピを試行錯誤する日々。
観光農園や店舗を持つという手段もある中、コスト面・集客面を考えてキッチンカーという販売方法にたどり着き、約1年間の準備期間を経て、ついに出店へ。
移動販売という方法を選択したことが功を奏し、今や数多くのマルシェに参加しています。

「県外の方にも山梨の美味しい桃を知ってもらえるので、このやり方で良かったと思っています。今では全国各地や海外の方からも注文をいただく事もあるのですごくありがたいですし、お客様の生の声を聴けるのも嬉しいです。大きく実った真っ赤な桃を見た外国人の方の中には、これは本当に桃なのか?と驚く方も多いんですよ。」

プライベートでも地元で農家を営む友人と会い、日々頑張っている友人の姿を見て自分も刺激をもらっているのだそう。
また寛大なご両親の存在も大きく、森田さんの考えをすべて尊重し賛成してくれたのだとか。
キッチンカーでの販売を手伝ってくれたり、国籍が違うマットさんも温かく迎え入れてくれ、その仲の良さはマットさんとご両親の3人で登山にでかけるほど。
そんな周りの人たちの支えも大きなモチベーションになっている、と森田さんは言います。


これまでと、これから

今では何の問題もなく英語で対応し、日々さまざまな人と接している森田さんも、オーストラリアで最初に働いたホテルではレセプションの電話対応が大変で、分からない英語は家に帰ってから必死で勉強していたのだとか。
その努力があったからこそ今の生活がある、と森田さんは語ります。

「さまざまな国の方を相手にできるのは、英語が話せる私と主人だからこそできる事なのかな、と思います。キッチンカーに立つ上で心がけているのは“自分が楽しむ”という事。買いに来てくださるお客様がみんな本当に良い方ばかりで…。だからこそ私も楽しいんです。いずれは外国人観光客を相手にした観光農園を開いて、山梨の桃をもっとたくさんの方に知ってもらえたら良いなと思っています。」

海外へ出て、改めて知った家族が作る山梨の桃の美味しさ。
その美味しさを最大限引き出せるのは、森田さんの熱い情熱と高いコミュニケーション能力があるからこそ。
山梨が誇る美味しい桃を世界に発信するべく、森田さんは今日も桃色のキッチンカーで美味しいスムージーと笑顔を届けています。


モリタファームWEBページ

 


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